メタボと医療費控除
洋ナシとリンゴ
下腹部、腰のまわり、太もも、お尻のまわりの皮下に脂肪が蓄積する洋ナシ型タイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積するリンゴ型タイプを「内臓脂肪型肥満」との分類があります。
メタボリックシンドロームとは
生活習慣病とよばれる疾患に高血圧、糖尿病、高脂血症などがあり、これらの疾患は個々の原因で発症する独立した別の病気ではなく、内臓脂肪型肥満が原因と言われており、これによってさまざまな病気が引き起こされ易くなった状態を「メタボリックシンドローム」といいます。
厚生労働省の調査によると、40~74 歳までの中高年世代においては、男性では2人に1人、女性は5人に1人が該当するとされています。
医療費控除の対象になるか
ところで、健康診断の費用は、病気の治療を行うものではないので、重大な疾病が発見され、引き続きその治療を行わない限り医療費控除の対象とはなりません。
そして、従来の常識ではメタボは重大な疾病とは言えそうもないので、メタボとの診断結果だけでは健診費用は医療費控除の対象になりにくそうですし、メタボは疾病以前の症候なのでメタボ対症費も治療費と言えそうもありません。
拡張解釈の仕方と展開
ところが、事態は大きく変わりました。
今年4 月から40~74 歳の保険加入者を対象にいわゆるメタボ健診が導入されました。
テレビ等でこれが話題になりだしたところで、厚生労働省健康保険局長は国税庁に税務取扱いの照会をしました。
これに対し、「下記の見解で差支えない」との回答があり、メタボ費用は医療費控除の対象になることになりました。
◆メタボは「高血圧症・脂質異常症・糖尿病と同等の状態と認められる」。
◆メタボと診断され、かつ、引き続きメタボ保健指導が行われる場合には、メタボ健診費用の自己負担額は医療費控除の対象となる。
◆引き続き行われたメタボ保健指導費用の自己負担額は、医療費控除の対象となる。
◆確定申告書にはメタボ健診、メタボ保健指導についての概要を記載した領収書を添付する必要がある。

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