目標管理制度で設定された「目標」が、「ノルマではないか」と、社員の間でよく議論されることがあり、一般に「上司から押し付けられた“ヤラサレ感がある目標”」と言う意味で使っているようです。
社員が、押し付けられたと感じている目標は、達成意欲が伴わず、したがって達成の可能性も低くなります。
特に本人の能力の幅や深さ、言い換えれば裁量の程度が、達成度に大きく影響する企画、立案型の業務目標では、本人の達成意欲が欠落すると、決定的に達成が不可能になりかねません。
達成意欲が伴う目標設定
「ノルマ」とは、ロシア語で“半強制的に与えられた労働の基準量”と言う意味で、本来的に“納得して受けた目標”と言う意味を持っていません。
そこで、社員が納得し、達成意欲を持って取り組める目標設定が必要、不可欠になります。
目標管理制度の年間サイクルの運用実務では、最初に目標設定を行ないますが、その際、達成プロセスのスタートに当たって、管理者が社員の納得と達成意欲を伴う目標設定へ誘導するマネジメントを行なえるよう、次の手順を参考例として紹介致します。
1.目的の確認:上位目標からカスケードダウン(段階的細分化)された自部署の目標を更に部下の目標へ、押しつけにならぬように納得性を持って細分化する。
2.目標設定の手順
(1)あらかじめ、自部署の目標から担当者に細分化する目標の腹案を検討、準備し、担当者との面談に臨む。
(2)担当者との面談で、自部署の目標設定理由となる上位目標が設定された背景と、自部署の役割から目標に細分化された理由を説明し理解を求める。
(3)自部署の目標を、担当者に細分化する理由(担当者の役割、能力、及び期待貢献、同僚との分担関係など)を説明し、質疑応答を十分に行い、理解を求める。
(4)担当者に考える時間を与えた上で目標案を提示してもらう。
(5)担当者の目標案と (1)とに相違があれば、率直、かつ真剣に意見を述べ、担当者の理解、納得を求める。
トップは、管理者がこのような納得性と達成意欲を持った目標設定誘導マネジメントに取り組めるよう、研修等の機会をつくって支援すべきです。

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