時給制ホステスさんの源泉徴収
ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税等を源泉徴収しなければなりません。
この源泉徴収は、ホステスさんがお客様に営業して、お店に来店してもらい、そのお店を使ってもらったことに対する「報酬」すなわち、ホステスさんが独立した個人事業者として、自己の計算とリスクをもって行う業務の対価を対象としています。
お客様の指名件数と支払金額に応じて支払われるケースがその典型例です。
悩ましいのが「時間給」のホステスさんへの支払いです。
平成24年の国税不服審判所の裁決では、「時間給」での支払いが「給与」と判断された事例があります。
雇用契約と同様の指揮監督下にある場合
この裁決では、
①ホステスの採用に際し、店側が給与体系・勤務時間・店舗規則などの条件が記載された「給料システム」という書面に基づき説明していること
②採用後はホステスの出勤日・入退店時刻を指示して出勤シフトを組み、店側が出退勤を管理していたこと
③ホステスに対する支払いは主として勤務時間や遅刻の有無を勘案して算出されていたこと
等から、ホステスは、雇用契約と同様に店の指揮命令に服していた実態があるとして、労務の対価(給与所得)であると認定しました。
会社員をしながら週一出勤のホステスさん
ここで問題となるのが、会社員をしながら週一勤務をしているホステスさんへの支払いです。
先程の「報酬」としてのホステス報酬の源泉徴収の算式は次のとおりです。
(支払金額-5,000円×計算期間の日数)×10.21%
この算式における「計算期間の日数」は、「営業日数」や「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の日数とされていますので、週払いでは35,000円、月払いでは155,000円(31日)を超えなければ税額は算出されません。
したがって、週一程度の勤務ならば源泉徴収を行う必要がないことが考えられるわけです。
これが「給与」となると話が異なります。
ホステスさんが会社に勤務されているのであれば、主たる職場ではない店からの支払いは、高率の「乙欄」での源泉徴収が求められます。
どちらとも言えない事例も考えられるだけに判断が難しいところです。
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