災害にあった場合の国税の取り扱いとしては、現行法上、
国税通則法による申告期限の延長及び納税猶予
災害免除法による所得税及び相続税等の軽減免除
所得税法上の雑損控除の適用等があります。                     
しかし、今回の東北関東大地震のような甚大な震災があった場合には、現行の規定及び法律だけでは、被災者救済の適切な税務行政を行うことはできず、臨時特例立法の制定が不可欠です。
平成7年1月17日の阪神淡路大震災のときには、翌月の2月20日に震災被災者に係る臨時特例法を公布、同日施行となりました。
政府は、東北関東大震災に係る特例法を4月上旬までには制定したいとコメントしています。
そこで、今回の特例法の制定にあたって、当面の対応である「申告期限等の延長」について検討してみます。
地域指定の延長と個別指定の延長に関して
国税庁長官は、「理由のやんだ日」から2か月以内に期限等延長することができ、期日と地域を指定します。
地域指定された地域においては、期限延長の申請手続きを特別にすることなく、申告、納付等の期限が延長されます。
この地域指定の延長は、指定内に納税地がある納税者に限り適用されます。
一方、指定地域内に事業所等を有する納税者にあっては、その納税地が指定地域以外の地域にある場合、原則、申告等の期限の延長はありません。
この場合、指定外の納税者は、別途、期限延長の申請手続きをすることによって延長が可能となります。
特例法で地域指定の範囲を拡大
国税庁は、当面の対応として、3月15日に地域指定のみを告示しました。
しかし、今回の震災の規模、範囲を考慮すると、特例法においては、納税地が地域指定内になくても事業所等がある場合には地域指定内として、申請手続き不要で延長を認める措置を講ずるべきと考えます。
また、被災税理士の関与する被災地外の納税者についても、被災地の納税者と同様の申告期限等の延長を認めるべきで、加えて、被災税理士が申告期限等の延長申請を行えば、関与先の被災地の有無を問わず、延長が認められる措置を講じられることも実情に沿うものと考えます。

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