給与所得者の総数と給与総額の回復
この9月16日国税庁公表の2010年分給与実態統計データによると、民間給与所得者数は、5,415 万人(公務員を含めた総数は約5,800万人)で、前年より27万人(0.5%)増加しています。
給与総額は194兆3,722 億円で、前年より1兆8,980億円(1.0%)増加しています。
平均給与の回復の実態
民間給与所得者の平均給与は、412万円で、前年より6万1千円(1.5%)増加しています。
3年ぶりの増加ですが、前年の09年分の下落幅23万7千円(5.5%減)は1949年の同統計開始以来最大だったので、2010年分の412万円は増加に転じはしたものの、ここ10年では09年分に続く2番目に低い金額です。
源泉所得税にみえる下半期回復の様相
民間給与に係る源泉徴収所得税額は7 兆5,009億円で、前年より697億円(0.9%)減でした。
この10月11日国税庁公表の法人申告事績報告は半年遅いデータなのですが、給与所得に係る源泉所得税の税収は8 兆6,389億円で、前年より687億円(0.8%)増でした。
2011年に入ってから減が増に急転しているようです。
業種別平均給与
業種別にみると、最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の696万円(前年630万円、前々年675万円)、次いで金融・保険業の589万円(前年625万円、前々年649万円)となっており、最も低いのは宿泊業,飲食サービス業の247万円(前年241万円、前々年250万円)です。
東電をはじめとする、原価プラス利益で販売価格を定める、電気・ガス・水道など公営的非競争独占企業の平均給与がダントツに高く、伸び(対前年66万円増)も大きく、新規参入しやすい飲食サービス業の年額で3倍近く、伸び(対前年6万円増)で11倍にもなっています。
法律によって守られ、景気変動に左右されない企業が過剰に保護されている印象があります。
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