国税庁が5月に公表した平成21年度分会社標本調査によると、欠損法人の割合は72.8%に及んでいます。
このような状況では、節税策よりも、むしろ、いかに利益を確保するかの方が、金融機関対策を考慮しても大切かと思います。
決算直前でもできる、ちょっとでも利益を出す方法をいくつか見てみましょう。
売上計上基準の変更
検収基準から出荷基準に変更するなど、売上を少しでも早く計上できる基準に変更します。
ただし、業種・業態に応じて合理的な基準を採用すべきで、変更には合理的な理由が必要です。
また、変更後は継続適用しなければなりませんので、あまりおすすめできません。
いつでもいい経費は翌期へ
備品、消耗品の購入、広告宣伝費など緊急性の低い支出は翌期になってから行い、当期の費用にならないように調整します。
前払費用に計上
家賃及び生命保険料など翌月分を先払いしているような費用は、前払費用に計上します。
ただし、短期前払費用の特例を適用して、年払いしたものを支払った期の費用に計上している場合は、この方法を適用できない場合があります。
貯蔵品に計上
事務用品、切手、印紙、パンフレット類など、毎期一定量を購入し継続的に消費するものはその期の経費にできますが、消費時に費用計上するのが原則ですので、これら未使用のものを洗い出し、貯蔵品として資産計上します。
ただし、処理変更後は継続適用する必要がありますのでご注意ください。
固定資産に計上
使用可能期間が1年未満のもの、取得価額が10万円未満のもの、同じく20万円未満の一括償却資産、同じく30万円未満の少額減価償却資産を、原則通り固定資産に計上して、通常の減価償却を行います。
付随費用は取得価額に含める
自動車などの固定資産購入時に発生する、自動車取得税などの租税公課などを費用計上せず、取得価額に含めます。
グループ会社をうまく活用する
100%グループ会社に対し、譲渡直前の簿価が1,000万円以上で含み益がある資産を売却し、譲渡益を計上します。
あるいは、寄附金を受け、受贈益を計上します。
これらはグループ法人税制により課税が繰り延べられますので、会計上は利益が出ますが、法人税は課税されません。

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