平成20年度の税制改正で、上場株式等の譲渡益課税が改正されました。
これにつじつまを合わせるように、上場株式等の配当課税についても改正が行われました。
適用は平成21年以降からです。
そこで、上場株式等の配当課税について、現行の税制を踏まえ、今後の改正について主要な内容を確認しておきましょう。
(1)平成20年の配当課税
平成20年までの上場株式等の配当等については、10%(所得税7%、住民税3%)の税率で源泉徴収され、確定申告は不要です。
もちろん、申告不要でも確定申告をすることができますが、申告した場合は、総合課税となり所得の多寡により税率5%~40%の累進税率が適用され、住民税も10%の課税があります(配当控除の適用はあります)。
配当収入の計上時期は、配当の権利を取得した日や配当を受け取った日ではなく、効力発生の日(一般的には配当支払開始日と同日)となります。
なお、発行済株式総数の5%以上保有の大口個人株主における配当ついては、総合課税として確定申告が必要です。
(2)平成21年、22年の配当課税
平成21年以降から①申告不要または②申告分離課税または③総合課税のどちらも選択できます。
上場株式等の配当等について、一定の計算による年間合計額が100万円を超えると申告しなければなりません。
申告する場合、申告分離課税の場合は、100万円以下の部分10%、100万円を超える部分20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用され、総合課税を選択した場合は、平成20年と同様の課税関係になります。なお、源泉徴収税率は引続き10%です。
100万円の計算方法は、原則として、年間の配当合計額が「1万円を超える銘柄」だけで計算します。
例えば、A銘柄年間6千円、B銘柄年間5万円、C銘柄年間1万円、D銘柄年間50万円、E銘柄年間60万円だとしますと、配当の年間合計金額は、B、D、E銘柄の合計額115万円となります。
(3)平成23年の配当課税
源泉徴収税率は20%になりますが、確定申告せずに済ませることができます。
確定申告をした場合は、20%の申告分離課税と累進税率の総合課税の選択となります。
配当税制は、今後も流動的です。
平成21年度税制改正から目が離せません。

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