現金の重要性
現金商売の場合、終業時には現金を実際に数えて、レジの記録と過不足がないかを確認し、過不足がある場合その原因を突きとめます。
その日に原因がわからない場合も、一定期間保留し、原因をできるだけ追求します。
毎日の現金実査と帳簿との照合が経理の信頼につながる、大事な仕事です。
現金が動くとその都度の記帳義務がある
ちょっとした支払いに備えて小口現金制度があったり、経費精算を営業マンの都合で適宜対応するために経理担当者に現金を持たせたりしている会社もあります。
会社法432条1項(会計帳簿の作成及び保存)では、「適時」の帳簿作成が定められています。
そのため、現金出納帳をまとめて記帳するということはできません。
お金が動けば、遅くともその日の終業時には現金を数えて現金出納帳を記帳しなければなりません。
これは経理担当者にとって結構な心理的負担であり、かつ、時間と労力の無駄です。
現金商売でない限り、現金が必要という心の呪縛は捨て去りましょう。
こうすれば経理担当者はストレス・フリー
現金を持たなければ、毎日の記帳義務はなくなります。
定期的に決めた日程での記帳作業となります。
また、仕事の途中で経費精算のために作業を中断させられるようなこともなくなります。
こうすることで、経理担当者は仕事に集中することができることとなり、現金管理の精神的な負担や作業中断のストレスから解放されます。
立替経費精算制度で問題解決
小口現金や随時の経費精算がなくなれば、不都合が生じるのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるでしょう。
しかし心配無用です。
下記で問題なく運用できます。
(1)立替経費精算制度
営業マンの交通費精算も含め全ての小口の経費精算は、定期的(毎月がベター)な報告書精算とし、支払は給料日にまとめて行います。
経理担当者は確認作業をまとめて行なえ、効率的な仕事ができます。
精算する営業マンも提出期限に遅れると翌月まで返金されないので精算遅れが少なくなります。
(2)事前仮払金前渡制度
入社時に平均的な経費精算額よりも少し多い金額を前渡しします。
一種の定額資金前渡制度(インプレストシステム)です。
なお、臨時の出張等でお金が必要になる際は、事前の仮払申請に都度口座振込で対応すれば解決します。
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