三世代同居リフォームに減税制度創設
平成28年4月より「住宅の多世代同居改修工事に係る特例」制度がはじまりました。
この制度は、子育て支援・介護支援の一環として、三世代同居のために住宅のリフォームを行おうと考えている方を後押しする目的で設けられた減税制度です。
平成25年に内閣府が行った意識調査によれば、「祖父母の育児や家事の手助けが望ましいか」という問いに対して、実に78.7%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えています。
三世代同居を「理想の家族の住まい方」と答えた方も、20.6%いらっしゃったようです。
ただ、現実には、総世帯に占める三世代同居世帯の割合は昭和61年の15.3%から平成25年には6.6%と減少しています(厚労省・国民生活基礎調査)。
このような状況の中、世代間の助け合いによる子育てしやすい環境整備を図るため、税制上の特例措置が講じられました。
住宅ローンの有無で2つの制度
実際に「三世代で住もう」とした場合には、住環境の整備が必要です。
この場合、キッチン、トイレ、浴槽等の水廻りを増設することが一般的であり、概ね250万円がかかると国土交通省では試算しています。
そこで、「特定増改築等に係る住宅借入金等特別控除」と「既存住宅の特定改修の場合の特別控除」に追加する形で2つの減税制度が設けられました(選択適用)。
①住宅ローンあり(借入期間5年以上)
住宅ローン年末残高×控除率
〔控除率〕
増改築工事全体(1千万まで)…1.0%
うち三世代同居改修工事(250万まで)…2.0%
この制度では、年間で最大125,000円(250万円×2%+750万円×1%)の控除を5年間受けることができます。
②住宅ローンなし
標準的な工事費用(単位当たりの標準費用×改修箇所)×10%(最大25万円)
対象となる三世代同居改修工事
どちらも対象となる三世代同居改修工事は、①調理室、②浴室、③便所、④玄関のいずれかを増設し、改修後は①~④のいずれから2つ以上が複数になるものになります(補助金控除後の工事費用・標準的な工事費用が50万円超のものに限ります)。
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