適格請求書等保存方式(インボイス制度)
平成29年4月に予定している消費税率10%への引き上げを、平成31年10月まで2年半延期することが正式に表明されました。
ただし、適格請求書等保存方式いわゆるインボイス制度への移行は、当初予定通り、平成33年4月1日から導入することが予想されています。
「適格請求書等保存方式」とは、原則として、適格請求書発行事業者から交付を受けた「適格請求書」または「適格簡易請求書」の保存を、仕入税額控除の要件とする制度です。
税額計算は、「適格請求書」「適格簡易請求書」の記載通りに計算します。
適格請求書発行事業者登録制度
① 適格請求書発行事業者の登録
「適格請求書発行事業者」とは、納税地の所轄税務署長に申請書を提出し、適格請求書を交付することのできる事業者として登録する課税事業者をいいます。
登録については、平成31年4月1日からその申請を受け付けることとされていましたが、変更になるかもしれません。
② 適格請求書発行事業者の公表
適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号については、インターネットを通じて登録後、速やかに公表されます。
③ 適格請求書発行事業者の登録の取消
適格請求書発行事業者が登録の取消を求める届出書を納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、その登録を取消すことができます。
④ 事業者免税店制度との適用関係
①の適格請求書発行事業者の登録を受けた日の属する課税期間の翌課税期間以降の課税期間については、③の登録の取消を求める届出書の提出が行われない限り、課税事業者として申告義務が発生します。
基準期間の課税売上高が1,000万円以下になった場合でも、登録の取消の手続を行わない限り、免税事業者とはなれません。
適格請求書
「適格請求書」とは、登録を受けた適格請求書発行事業者が発行する請求書です。
記載事項は、区分記載請求書等保存方式と比べて、登録番号、消費税額の記載が追加となります。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称および登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
④ 課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額および適用税率
⑤ ④に対する消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
適格簡易請求書
「適格簡易請求書」とは、記載事項が適格請求書よりも簡易なものをいいます。
小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業または駐車業等の不特定多数の者に対して課税資産の譲渡等を行う一定の事業が対象となります。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称および登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
④ 課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額
⑤ ④に対する消費税額等または適用税率
不特定多数の者が対象となるため、交付を受ける事業者の氏名又は名称は省略することができます。
予定通りですと、平成31年10月の増税から、1年半でインボイス制度が適用となります。
請求書のフォーマット変更など、経費がかかることですので、早めに対応して、無駄な出費は抑えたいところです。
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