前回に続いて法人課税に関する改正項目です。地方税を中心に主な項目を概観していきます。
法人事業税の税率改正
資本金の額(出資金の額を含む)1億円超の普通法人については、法人事業税における外形標準課税(付加価値割と資本割の合計)の割合を5/8(現行:3/8)に拡大、これにより、所得を課税標準とする所得割の税率を3.6%(現行:6.0%)に引下げ、一方、付加価値割の税率1.2%(現行:0.72%)及び資本割の税率を0.5%(現行:0.3%)に引上げるとするものです
なお、一定の要件を前提に、付加価値額30億円以下の法人、付加価値額30億円超40億円未満の法人については、負担軽減措置が設けられています。
この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。
地方法人特別税の税率改正
資本金1億円超の普通法人の税率は、414.2%(現行:93.5%)とするもので、この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。 
なお、この地方法人特別税は、平成29年4月1日以後に開始する事業年から廃止し、法人事業税に復元するとなっています。
法人住民税法人割の税率改正
道府県民税の法人税割は標準税率1.0%(現行:3.2%)、制限税率2.0%(現行:4.2%)に引下げ、また、市町村民税の法人税割も標準税率6.0%(現行:9.7%)、制限税率8.4%(現行:12.1%)に引下げる、とするものです。
この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用となっています。
地方法人税の税率改正
地方法人税の税率は10.3%(現行:4.4%)に引上げるとするもので、この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。
地方創生応援税制の創設
企業版ふるさと納税とも呼ばれています。
地域再生法の改正を前提に、地方公共団体(三大都市圏等は対象外)が行う、地方創生効果の高い一定の事業(国が認定)に対して法人が行った寄附について、現行の寄附金の損金算入措置に加えて、寄附金の一定額を①法人事業税及び②法人住民税並びに③法人税(②で控除できなかった額)から税額控除できるとするものです。

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