「割戻」はあまりなじみがありませんが、「値引」「割引」はよく耳にする言葉です。
おトクなイメージの言葉ですが、実は意味も異なりますし、会計処理も違うのです。
意味
①値引とは、品質に起因した減額のことを言います。
賞味期限が近い食品が安くなったり、部分的に傷がある不良品が安くなっているのが「値引」です。
②割戻とは、量に起因した減額のことを言います。
3つまとめて買うと安くなるのが「割戻」です。
③割引とは、早期の支払に起因した減額のことを言います。
代金を後で振り込むより即時現金払いをすれば安くなるのが「割引」です。
①②は商品代金を直接減額したといえますが、
③は早期に支払ってくれた期間に応じた利息を減額したようなものといえます。
会計処理
①値引と②割戻の場合は、仕入や売上の金額から直接マイナスします。
③割引の場合は、前述の通り利息の減額という性格をもつので、仕入や売上の金額からマイナスしません。
仕入割引(収入)・売上割引(費用)といった勘定科目を設けて、それぞれ営業外収益・費用に計上します。
消費税
消費税は、①値引②割戻③割引を行った期間に調整を行います。
①値引と②割戻の場合は、仮受消費税等や仮払消費税等から直接マイナスします。
③割引は利息の性格をもつとはいえ、消費税の課税取引となります。
仕入割引は会計上は収入ですが、消費税では課税売上ではなく課税仕入のマイナス取引となりますので、仮払消費税等をマイナスします。
売上割引も同様に、会計上は費用でも消費税では課税仕入ではなく、課税売上のマイナス取引として仮受消費税等をマイナスします。

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