消費税率引き上げに伴い、4月1日の施行日をまたいで行われた取引について、売上側から適用税率の認識を誤った請求書が送付されてきたケースがみられます。
また、売上側と仕入側の計上基準が異なる場合に、税率5%で請求した売上側が、仕入側の計上時期に合わせることとし、8%による修正処理を行うケースもあるようです。
このように、請求書と実際の取引金額が違ってくる場合、仕入側は請求書の再交付を受けなければ、消費税の仕入税額控除を受けられないでしょうか?
消費税の仕入税額控除を受けるために保存しなければならない請求書等は、次の事項が記載されたものでなければなりません。
① 書類作成者の氏名又は名称
② 課税資産の譲渡等を行った年月日(まとめ記載の場合にはその一定期間)
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 課税資産の譲渡等の対価の額(税込)
⑤ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
これらの事項の記載の形式は決まっているわけではありません。
例えば、二種類以上の書類で記載事項を満たす場合には、それらを併せて請求書として取り扱って差し支えありません。
会社によって記載形式は様々ですので、請求書に記載されている取引金額に誤りがあった場合でも、取引金額の修正の事実について、客観的に証明できる書類が揃っていれば、必ずしも請求書の再発行を求める必要はありません。
5%の請求書の金額を、8%に修正する旨を相手方と確認済みである文書があれば、消費税の仕入税額控除を受けるための書類とすることができるようです。
もちろん、請求書の再発行が得意先の手間にならなければ、再発行をしてもらったほうが確実です。
消費税率引上げに伴う修正や対応も、客観的に説明できれば問題ありませんので、しっかりとした資料作成を心掛けましょう。

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