昨年は、不動産所得のある方に対して、東京国税局から「決算書(収支内訳書)の内容についてのお尋ね」と題する文書が送付されました。
この「お尋ね」は、不動産所得の申告内容に共通した誤りが多く見受けられたため、不動産所得の過去の申告内容について、自主的な見直しを促すことを目的としたものでした。
不動産所得とは、次の①から③までの所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く)をいいます。
① 土地や建物などの不動産の貸付け
② 地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
③ 船舶や航空機の貸付け
不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各所得金額の黒字の金額から控除することができます。
しかし、不動産所得の必要経費に算入した金額のなかに、不動産所得の対象となる土地等を取得するために要した借入金の利子があるときは、その借入金の利子に相当する部分の金額は、損失が生じなかったものとみなされ、他の所得金額との損益通算はできません。
具体的には、まず、不動産所得が黒字であるか赤字であるか所得金額を計算しなければなりませんので、原則どおり全額を必要経費に算入し、不動産所得の金額を計算します。
その結果、不動産所得が赤字となった場合に、所得金額(赤字額)から「土地等を取得するために要した負債の利子の額」を差し引いた金額が不動産所得金額となります。
損益通算をすることが出来ない金額は、次のようになります。
① 土地等の借入金利子の額が、不動産所得の損失の金額を超える場合
⇒その損失の金額
② 土地等の借入金利子の額が、不動産所得の損失の金額以下の場合
⇒その損失の金額のうち、その借入金利子の額に相当する金額
平成26年1月からは、個人の白色申告の方であっても、記帳と帳簿書類の保存が必要となってきます。
今後も、特に、不動産所得者への指導・調査を強化してくると思われますので、正確な申告を行うことを心掛けましょう。
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