3年連続で過去最低 黒字申告は25%
国税庁が発表した2010事務年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度比0.7%(2万法人)減の297万8千法人で、うち今年7月までの1年間に申告したのは、前年度比0.9%(2万4千法人)減の276万2千法人でした。
法人の黒字申告割合は25.2%と、前年度比で0.3ポイント減少しています。
初めて30%を割り込んだ2008年度から3年連続で過去最低を更新しています。
ちなみに、法人の黒字申告割合の過去最高は1973年度(65.4%)です。
実態は景気回復基調の増データ
新聞には上記の悪い指標が躍っていましたが、統計値をみると、法人の申告所得金額は前年度比7.0%(2兆3526億円)増の36兆1836億円、申告税額の総額も前年度比7.5%(6560億円)増の9兆3856億円と、ともに7%程度増加しています。
4年ぶりのことです。
企業業績は回復基調にあり、赤字法人は減っています。
黒字申告法人が少ないのは、相殺できる繰越欠損金が残っているからです。
税務申告に見る景気回復基調の実相
黒字法人の申告所得金額は、黒字申告1件当たり、前年度比9.1%増の5,192万円です。申告欠損金額は、前年度比23.6%減の20兆8,969億円と大幅に減少しています。
赤字申告1件あたりの欠損金額も同23.3%減の1,012万円となっています。
ちなみに、申告所得金額の過去最高は2006年度の57兆828億円、申告欠損金額の過去最高は2002年度の33兆116億円です。
源泉所得税収納額にも増データ
2010事務年度における源泉所得税額は12兆5597億円で、前年度比2.1%(2624億円)増と、これも4年ぶりに増加しています。
主に給与所得の税額が前年度比0.8%増の8兆6389億円、配当所得が前年度比18.0%増の1兆6701億円と増加したことによるものです。
給与所得や配当所得の増がもたらされているのは、法人所得の伸びの結果です。
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