ご両親や親族に不動産を多く持っている、もしくは盛況な事業を行っている方がいらっしゃる場合には、将来の相続税について心積もりをしておかなければなりません。
そこで今回は、お客様からのご質問の多い、「相続税はいったいいくらの遺産からかかってくるのか」をご説明します。
相続税の計算の流れ
相続税は複雑な過程を経て算出されますが、一番最初に把握しなければならないのは、残された遺産の総額です。
そのため、全ての財産が漏れなく計上されるよう、法律に基づいた適切な評価方法によって1つ1つの財産を厳密に評価し、相続税の申告書に計上しなければなりません。
そして、この遺産の総額から、入院費用や銀行借入金などの債務やご葬儀の費用を差し引きます。
基礎控除
上記のとおり、遺産の総額から債務・葬式費用を差し引いた純資産から、さらに基礎控除を差し引きます。
この基礎控除の額は、5千万円+法定相続人1人あたり1千万円で計算されます。例えば夫が亡くなり、相続人が妻と子供2名であった場合、5千万円+3千万円で、基礎控除は8千万となります。
そして、基礎控除を超えた金額について段階的に10~50%までの税率がかけられ、取得した財産の金額によって各相続人に按分されます。
したがって、相続税が1億円と計算されても、取得する遺産がゼロであれば、相続税はかかりません。
さらに配偶者については、取得した財産について税金を軽減する措置が設けられています。
遺産は残っているものばかりではありません。
残された遺産の把握の際に注意しなければならないのは、お亡くなりになる前の3年以内に相続人が贈与を受けた場合にはその3年間の金額の合計、また相続時精算課税の適用を受けた贈与については、この贈与が無かったものとみなして財産に戻して計算しなければならないことです。
したがって、お亡くなりになった日時点での遺産の総額で基礎控除を超えていないと安心しても、贈与の部分を加味してみると控除を越え、税額が発生することもありますので、注意が必要です。
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