消費税の簡易課税制度では、売上に適用される税率を基に、仕入税額控の計算が行われます。

例えば、仕入れにかかる消費税率に10%と軽減税率8%とが混在していても、控除対象仕入税額は売上の税額から自動的に算出されますので、仕入にかかる消費税率は考慮されません。

従って、軽減税率制度が実施される場合での簡易課税制度では、売上と仕入の税率区分やその割合に応じて、事業区分を見直し、細分化することが必要であると考えられています。

①事業区分の見直し

軽減税率制度の実施に伴い、飲食料品の譲渡を行う農業、林業、漁業の事業区分が、第3種事業から第2種事業へと変更となりました。

みなし仕入れ率が70%から、80%へと引き上げられています。

上記以外の事業区分については、現在のところ変更はありません。

施行日である令和元年10月1日以降に行う課税資産の譲渡等に適用されますので、施行日をまたぐ課税期間においては、課税期間の途中で事業区分の変更が必要となります。

②届出の特例(事後選択)

簡易課税制度は、原則としてその適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、簡易課税選択届出書を提出する必要があります。

今回の軽減税率制度の実施に伴い、課税仕入を税率ごとに区分することについて「困難な事情があるとき」は、適用しようとする課税期間の末日までに、簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度を適用することができます。

適用期間は、令和元年10月1日から令和2年9月30日までの日の属する課税期間とされており、軽減税率制度導入後1年間に限った時限措置となっています。

基準期間における課税売上高が5,000万円以下である中小事業者は、簡易課税制度の適用について検討なさってみてください。

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