年末調整は、原則として給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している人の全員について行います。

例外的に年末対象の対象とならない人もいます。

その他、年末調整の細かい点について、見ていきたいと思います。

(1)年末調整の対象とならない人

① 本年中の給与の収入金額が2,000万円を超える人

② 災害により被害を受けて、「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」の規定により、本年分の給与に対する源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予又は還付を受けた人

③ 2か所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している人や、年末調整を行う時までに扶養控除等申告書を提出していない人(月額表等の乙欄適用者)

④ 年の中途で退職した人

⑤ 非居住者

⑥ 継続して同一の雇用主に雇用されない日雇労働者など(日額表の丙欄適用者)

(2)確定申告をする人は、年末調整は不要?

受給者が確定申告を行っている場合でも、支給者の源泉徴収義務は消滅しません。

そして、年末調整の対象者に該当する場合には強制的に行う必要があります。

他の収入があって確定申告をしなければならない人でも、年末調整の対象者であれば、年末調整での精算をしなければなりません。

(3)中途採用者が、前職の源泉徴収票の交付を受けることができない場合

就職前に他の給与支払者に扶養控除等申告書を提出し、支払いを受けていた給与がある人は、その前職分の給与を含めて年末調整を行います。

年の中途において退職した人については、退職日以後、1か月以内に「給与所得等の源泉徴収票」を発行しなければなりません。

前職の勤務先が、どうしても源泉徴収票を交付しない場合には、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出して、税務署から交付するように指導してもらうことができます。

(4)「従たる給与についての扶養控除等申告書」の提出があった場合

「従たる給与についての扶養控除等申告書」とは、2か所以上から給与の支払いを受ける人で、「主たる給与の支払者」から支給される給与だけでは扶養控除等の所得控除を控除しきれないと見込まれる人が、「従たる給与の支払者」から支給される給与からも配偶者控除や扶養控除を受けるために提出する申告書です。

次の①と②の金額の合計額に、主たる給与の金額(給与所得控除後の金額)が満たないと見込まれる場合に、従たる給与の支払者に提出します。

① 主たる給与の支払者から支給される給与につき控除される社会保険料等の金額

② その人に適用される障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者(特別)控除、扶養控除、基礎控除の額の合計額

この「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している人については、毎月の計算で、「乙欄」で求めた税額から次の金額を差し引きます。

① 月額表 控除対象扶養親族など一人につき1,610円

② 日額表 控除対象扶養親族など一人につき50円

原則として、従たる給与については年末調整ができませんので、本人が確定申告を行う必要があります。

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