例年に比べて風疹の患者が急増しているようです。
特に妊婦が風疹にかかると、胎児が先天性風疹症候群という病気になる危険性が高くなるため、自治体によっては予防接種費用を負担して、住民に予防接種を促しています。
この予防接種費用を会社が負担した場合、一般的には必要経費とすることができます。
会社は、従業員の健康管理に配慮する責任がありますから、インフルエンザや風疹の予防接種費用も経費となります。
では、勘定科目は「給与」でしょうか?「福利厚生費」でしょうか?
所得税法上は、従業員に対して支払う給料や賞与だけでなく、物品の無償譲渡などの経済的利益の供与も原則、給与所得に含まれ、源泉徴収の対象になります。
しかし、福利厚生のための用役の提供を受けた役員又は従業員が受ける経済的利益については、著しく多額である場合または役員だけを対象としている場合を除き、給与等に該当しないものとして取り扱えます。
つまり、予防接種費用は、常識的な金額の範囲内であり、希望者全員が受けられる場合には、給与ではなく、福利厚生費として処理することができます。
同じように、人間ドックや健康診断の費用も、福利厚生費として必要経費に入れることができます。
役員や特定の地位にある人だけを対象とした場合には、給与扱いになりますが、全従業員が対象であれば、一定の年齢制限(例えば35歳以上など)を設けることは認められています。
検診内容が常識の範囲内でなければならず、PET検診など、検診費用が数十万円必要となるものは、著しく高額であるとみなされ、給与としてみなされる可能性があります。
役員に対する場合は、給与とみなされた場合、定期同額給与とならず、損金不算入となる可能性もありますので、注意が必要です。

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