1つの減価償却資産が2以上の用途に共通して使用され、その用途によって異なる耐用年数が定められているケースでは、減価償却費を計算するための耐用年数は、どのように決めたらよいでしょうか。
この場合には、原則として、その減価償却資産の使用目的、使用の状況等を勘案して合理的に判定し、その判定した用途について定められている耐用年数により償却限度額を計算します。
例えば、5階建ての建物で、1階を店舗、2階から5階を住居として使用するケースです。
耐用年数表を見ると、鉄筋コンクリート造の場合、店舗用は39年、住宅用は47年となっています。
総合的に勘案し、この建物の主たる用途は「住宅用」と考えられますので、建物全体について「住居用」の耐用年数47年が適用されることになります。
なお、その判定した用途に係る耐用年数は、一度採用した以上、その判定の基礎となった事実が著しく異ならない限り、継続して適用することになりますので、初年度における用途の見極めが大切です。
また、1つの建物を2以上の用途に使用するため、その建物の一部に特別な内部造作等をしている場合には、上記に関わらず、用途ごとに区分して、その用途について定められている耐用年数をそれぞれ適用することができます。
例えば、鉄筋コンクリート造の建物について、1階から5階までは事務所として使用し、6階を特別な内部造作を加えて劇場として使用するような場合には、事務所部分については50年、劇場部分については41年(又は34年)を適用することができます。

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