いまや中小企業や自営業者でも、世界を視野に入れた事業展開を考えている経営者は少なくありません。
もし海外で商品を売って利益(所得)が出た場合、その税金はどうなるのでしょうか。
日本は、日本企業の所得に対して課すのだから、税金は日本に納めるべきだと主張するでしょう。
相手国は、商品を売った場所は日本国外だから、その所得に課する税金は相手国に納めるべきだというでしょう。
このままですと、一つの取引で双方の国から課税されることになり、納税者は大損害を被ることになります。
租税条約とは、国際的二重課税を防ぐための国家間の取り決めのことをいい、
日本は現在、世界64カ国・地域の国々と租税条約を締結しています。
租税条約に出てくる二国のことを、それぞれ「居住地国」「源泉地国」と呼びます。
居住地国とは、法人の場合、その本店等が所在する国のことをいい、上記の例では日本となります。
源泉地国とは、その所得が生ずる場所が所在する国のことをいい、上記の例でいうと相手国です。
日本を含む各国が締結する租税条約は、「居住地国」での課税が一般的となっていますが、
これで国際的二重課税が完全に排除できたというわけではありません。
租税条約では、課税する権利が「居住地国」と「源泉地国」のどちらにあるのかを、所得の内容ごとに振り分けているのですが、居住地国・源泉地国双方での課税(二重課税)を認めている部分もあります。
また、日本と租税条約を締結していない国で所得が出た場合についても、二重課税が行われてしまいます。
このような場合に相手国へ納税した外国税額については、一定の範囲で日本で納める税額から控除する「外国税額控除」という国際的二重課税を調整する仕組みもあります。

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