いよいよオンライン化法からの脱皮

現行租税法体系には電子申告の規定がなく、税の申告手続きに於ける電子申告の根拠法令は、行政手続法の特別法としての行政手続オンライン化法であり、実態としては、それからの委任による国税オンライン化省令、さらには国税庁長官告示になっています。

租税法体系の条文が事実上修正・変更されています。

本年改正法人税法に突然出てきた大企業の電子申告義務化は、電子申告規定を租税法体系の中に組み込み直す第一手と思われます。

もともと問題あり、疑問ありだった

もともと、わずか全12条の行政手続オンライン化法による、制限不明な省令への委任での現行電子申告制度が、租税法律主義の法体系と矛盾していないか、法治国家の法体系のあり方として不適切ではないか、ということについて、当初から、そして国税内部からも疑問が呈されていました。

電子申告開始後、おおむね10年が経過するところで、この問題の解決に本格的に取り組み始めたのだと推測されます。

大企業止まりか

しかし「書面で申告書を提出しても無申告扱いとなる」という電子申告義務化規定が、中小企業を含む全法人に、さらには個人の申告に適用されるとなると、これが租税法律主義の手続的保障原則および行政手続上の国民主権原理に反していないか、との厳格な吟味を求められることになるのは避けられません。

今のままでは、訴訟が開始されることになり、法律の規定が憲法違反と判決されるのは不可避です。

あるべき誘導措置の在り方

電子申告は、行政内部の省力化の為の絶大な切り札であることは確かなので、国民にその方向での協力を求め、その協力には、税制特例の適用の恩恵を与える、という誘導優遇措置は認められるところです。

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