手付解除とは

不動産の売買において、売買契約後引き渡しまでの期間にその契約をやめたい場合に手付解除ができます。

買主が解除する場合は、支払った手付金を放棄します。売主が解除する場合は、買主が支払った手付金と共に、更に同額を買主に支払います。

手付解除は買い手の資金繰りの都合がつかないといった場合が多いのですが、往々にして、更に条件の良い買い手が見つかったとか、更に良い物件が見つかった場合に手付を放棄したり、倍返しをしても、解除したほうが有利と判断された場合にも起こります。

法人の場合

通常は、支払った場合は費用でもらった場合は収入です。

ただし上記の例のように、更に条件の良い物件が見つかって別の物件を購入するために、手付解除で手付金を放棄した場合などで、直接因果関係が明確な場合は、別の物件の取得価額とされます。

また、不動産業者の棚卸不動産で、売却予定していた物件を手付解除で売却しなかった場合などは、棚卸不動産の取得価額に加算される場合もあります。

特に手付解除の時期と不動産売却の時期が決算期をまたぐ場合は要注意です。

個人の場合

売主買主を問わず、手付解除により手付金をもらった場合は、一時所得となります。

買い手で手付金を放棄した場合は、購入物件が賃貸物件の場合は原則不動産所得の必要経費となりますが、上記例のような更に有利な物件を取得するための放棄の場合は、法人同様取得価額となります。

賃貸物件でない場合は、次に取得した不動産の取得費となります。

売り手で倍返しをした場合は、賃貸物件で、その後しばらくの間その物件が売れなければ、不動産所得の必要経費ですが、上記の例のように、有利な次の買い手がいるような場合は、譲渡所得の必要経費となります。

賃貸物件でない場合は、次に売れた時期によりますが、不動産の取得費か譲渡費用となります。

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