棚卸資産の付随費用

棚卸資産の取得価額は、購入代価のほか、購入のために要した費用及び販売の用に供するために直接要したすべての費用(付随費用)で構成されます。

この「付随費用」は外部付随費用と内部付随費用の2種類に分類されます。

外部付随費用 引取費用・荷役費用・運送(海上)保険料・購入手数料・関税ほか

内部付随費用 買入事務費・検収費用・選別費用・移送費用・保管費用ほか

一部の内部付随費用の取得価額算入は任意

内部付随費用は、どの棚卸資産に掛かったものなのか識別することが難しい面があります。

そのため、法人税の通達では、下記の費用が購入代価の概ね3%以内であるならば、取得価額に算入しなくても構わないという簡便処理が認められています。

①買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用

②販売所等から販売所等に移管するために要した運賃・荷造費用等

③特別な時期に販売するなどのため長期にわたって保管するために要した費用

また、③以外でも棚卸資産の保管費用についての原価算入は任意とされています。

購入代価3%以内の判定

この3%以内であるかどうかの判定は、共通的に発生する付随費用については、一定の基準により、棚卸資産の種類等(種類、品質及び型)の異なるごと、かつ、所在場所ごとに評価している場合には、その単位ごとに配賦して判定することができます。

【例】①購入代価

A商品(600個) @1,000円(600,000円)

B商品(400個) @500円(200,000円)

②A・B商品の買入事務費 10,000円

③B商品のうち200個は支店へ移送した

 その移送費用 3,000円

この場合、②の買入事務費の配賦額は10円(10,000円/(600個+400個))、③の移管費用の配賦額15円(3,000円/200個)となりますので、次のように判定されます。

A 10円/1,000円=1%<3%

B(本店) 10円/500円=2%<3%

B(支店) (10円+15円)/500円=5%>3%

支店のB商品については、決算で付随費用(500円×5%)を含めて棚卸資産に計上しなければなりません。

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