確定申告したら即刻ローン
売掛金等の債権を担保とする資金調達というのは聞いたことがあるかと思いますが、確定申告による還付税金を担保にした超短期ローンというのもあります。
申告書作成手数料と利息も還付税金を担保にするので、差額が借入手取額となります。
これは日本でのことではなく、消費好きのアメリカでのはなしです。
アメリカには年末調整の制度がないので、1億5000万の納税者が確定申告をし、うち8割の人が還付申告で、平均的な還付金額は約2000$(20万円)です。
関係者のメリット
還付されるまでの数ヶ月を待たずに資金融通を受けられ、かつ確定申告手数料を用意することなく確定申告を済ませることができ、一方、申告書作成業者と提携金融機関にとっては短期間・低リスクで収益を上げることができます。
2004年には1200万人、2006年には900万人の納税者が還付税金担保ローンを利用していた、と報じられています。
電子申告の普及ともリンク
約半数の納税者が申告書の作成を弁護士、公認会計士、申告書作成業者に依頼しており、約50%の普及率の電子申告では81%の人が作成依頼していて、紙の申告書を提出する場合はおよそ6週間で還付されるのに対し、電子申告の場合は約3週間で還付を受けられます。
こんな短い期間でも、ローンは盛んに利用されており、逆に、ローン借入期間が短いからこそ、ローン提供者のリスクも小さく、ローン借入者の金利負担も軽減されるからです。
高利への批判
とはいえ、1,000ドルの還付税金につき、30ドルの電子申告手数料と59ドルのローン料金がかかるとも報じられています。
59ドルを3週間の実質金利と解釈した場合、103%もの高利になります。
アメリカ的な話題と感じつつも、当座資金に窮している人の足元を見た商売との印象をうけます。
米国税務当局は、2012年までに新しい電子申告システムを確立し、納税者に3日以内に税金の還付をするとしているようで、そうなると、さすがに還付税金担保ローンは姿を消すことになりそうです。

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