米国大手金融機関6社の2009年1月~3月の決算が出揃いました。
軒並み黒字を計上しております。
大きな要因として注目を浴びているのが負債評価益です。
シティーグループなどは、約16億ドルの最終利益を上げておりますが、その内負債評価益が27億ドルあります。負債評価益がなかったら赤字と言うことになります。
負債評価益とは
日経新聞によりますと、「負債評価益とは、社債など企業の負債の市場価値(時価)が下落した場合に、企業から債権者への支払い義務も同時に減少したとみなしてその分を利益に計上するもの」と解説しています。
例えばA社が社債を発行してお金を集め、先物商品等の金融商品に投資していた場合、投資した金融商品が下落すれば当然にも評価損が計上されA社は大赤字となります。
そうすると、今度はA社の社債の市場価格が下落します。
そこでA社が下落した自社の社債を市場で買い戻せば、下落した分だけ負債はなくなるということです。
こう言った論理で、実際に買い戻さなくても負債の評価を下げることで、負債評価益が計上できるとする米国の会計基準です。
金融機関を救う為の手法
そしてA社の社債を購入していたB社もその社債の評価損を計上し、同じ手法で負債評価益を計上すれば、金融機関は、誰も赤字を出すことなしに金融収縮に対処できます。
原点に立ち帰れ
日本の会計基準では、負債評価益は認められておりませんが、企業会計は企業の実態を的確に表現する為のものであると言う原点に立ち帰って、会計の諸規則を見直さないと、企業会計自体の信用の崩壊に繋がりかねない問題を含んでいると思います。

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