ある中小製造業で、設備トラブルがなかなか解決せず、不良率が高くて、困っていました。
現場担当者と技術担当者の間で、「その原因は何か?」と何カ月も議論していましたが、なかなか解決しませんでした。
たまたま、技術者が問題解決研修を受けて知った“三現主義”に基づく“解は現場にあり”を実行したところ、たちまち問題の原因が判明し、解決したのです。
どんなことをしたのか
“三現主義”(現地・現物・現実に基づいて的確な状況判断を行うこと)に基づく問題解決のやり方で、現場担当者と技術者が、問題の設備の前へ行き、どんな時にどのように不良品ができてしまうのか、その事実状況だけに集中して観察し、二人で状況事実を理解し合った結果、たちまち原因の判断が一致して解決策がまとまり、目覚ましい不良率の低下が図れたのです。
“三現主義”は問題解決の鉄則
 このような問題解決法は、製造現場の問題に限らず、多くの問題解決に有効です。
例えば、部門間・担当者間でなかなか問題解決の意見がまとまらない、顧客のご満足をみんなで追求しているつもりだが、実情は会社の中で責任のなすり合いばかりしている、と言った、笑ってすまされない悲しい問題が起こっている時などに、“三現主義”の問題解決法が役に立ちます。
机の上で、問題の原因や、解決方法を議論するのではなく、関係者が、その問題が起こっている現場に行って、一緒に事実状況を観察し、原因を究明し、解決策を話し合うのです。つまり、社長が「現場を見て、話合おう。」と言い出せば、それが、問題解決の近道になるのです。
キーワードは“解は現場にあり”
ホッチキスや工具等で有名なマックス社は“三現主義”を徹底していることで有名です。
例えば、新入社員が現場で「この工程がちょっとおかしいのですが。」と言ったら、生産部長が「どれどれ?」と言ってすぐにその現場にやってきて、事実を確かめるのです。
また、同社の社員は、顧客が同社製品を実際に使っている現場へ出かけて、その使い方、使いにくさなどを調査し、新製品の開発や改良に活かしています。
トヨタ・日産・ホンダなど自動車メーカーでも“三現主義”が問題解決・改善の鉄則になっています。

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