(1)債務超過とは、
一般的に、会社が保有する財産のすべてを処分しても、借金などの負債(債務)を完全には返済できない状態を言います。
この状態は、企業としての信用を損ない、事業継続に支障をきたす恐れがあります。
(2)資本の欠損とは
これは、会社の純資産額が資本金と準備金の合計額を下回るに状態に至った時をいい、債務超過の一歩手前を言います。
この用語は、旧商法の時代にはそれなりに意味をもっていました。
すなわち、同法の下では、最低資本金制度があり、かつ、建前ではありますが資本維持・不変の原則が堅持されていたからです。
しかし、会社法では、最低資本金制度が撤廃され、資本金の額に下限はなく、極端にいえばゼロでもよいと解釈されています。
それゆえ、この「資本の欠損」なる用語はあまり意味をもたなくなったと言えます。
(3)欠損金(額)とは
欠損金(額)という用語は、法人税法上の用語であり、各事業年度の「損金の額」(費用)が「益金の額」(収益)を超える場合におけるその超える部分の額をいい、会計基準でいう当期損失に該当します。
ただ、当期損失に税法独自の計算要素が加わりますのでイコールではありません。
欠損金額(当期損失)も累積すると繰越欠損金(未処理損失)となります。
この繰越欠損金(未処理損失)が増え続け、株主資本を上回ると先ほどの債務超過の状態に陥ります。
なお、繰越欠損金は、翌事業年度に利益がでたときは、利益から控除され法人税の納税が減額されます。
この控除期間は、昨年までは5年間でしたが、平成20年3月決算期から前6期分、21年3月決算期以後は前7期分となります。
但し、会社の法人税の申告が青色であることが前提です。
1.平成16年度の税制改正において、青色欠損金の繰越控除の期間を5年間から7年間に延長する改正が行なわれました。
但し、経過措置として、改正後の規定は、平成13年4月1日以降に開始した事業年度において発生した欠損金について適用するものとされています
(改正所法等附則13条 平成16年度改正税法のすべて P168~168参照)
2.同時に、純損失等の金額の更正期間も5年から7年に延期されました。
また、増額更正期間も3年から5年になり、3月決算法人で平成20年3月期について税務調査があった場合、平成16年3月期まで5年間遡って更正処分がなされます。
3.欠損金額
各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額が当該事業年度の益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう(法人税法2条19号)。

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