台本は決まりました。
あとは当日元気に文化放送まで行って喋ってくるだけ・・
そんな余裕の気分は日が近づいてくるにつれて緊張感へと変わっていきました。
そして当日、文化放送のロビーには年始早々にもかかわらず東京税理士会の理事だの広報部長だのお歴々が大集合していました。
スタジオに併設される打ち合わせルームには次の番組の司会者、大竹まことがしかめっ面で新聞を読んでいました。ラジオと言えどもここは芸能界の世界なのでしょうか???
そ知らぬ顔で台本の読みあわせを始めた私でしたが、実は緊張で頭の中はほぼ真っ白、過呼吸状態。お歴々に見送られてスタジオに入りました。
こうなってしまっては「まな板の鯉」台本を頼りに、顔の見えぬ聴取者へ向けてアナウンサーとの掛け合いを始めました。
本番、出だし緊張していたわりには自分の思ったことが言え、アドリブもかます事ができたので、余裕が出てきた私は、台本どおりに読み進めることに満足できなくなり、聴取者がすこしでも分かりやすいようにアレンジを加えて話すことを心がけるようにシフトしていきました。
 しかしこれが命取りでした。
台本は税理士会が話してほしい内容を列挙し、それに基づいて作られたものであり、自分の興味の無いことも盛り込まれています。
最初こそ、自分の知識で対応できていたのですが、話が深くなるにつれ、台本をアレンジして言った私の言葉はどんどんあさっての方向に・・・それでもアナウンサーの助け舟にすがりながら、なんとか最後のリクエストコーナーまでたどり着きました。
 中盤グダグダになってしまいましたが、リクエストの紹介では自分の言葉で話すことができ、なんとか立て直すことができました。
この寒い季節に冷や汗をかいた私は、ラジオの放送が終わるとそのまま寝込んでしまったのでした。
加藤一郎

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