ついに始まった「総額表示義務の特例」
消費税の増税が決定し、消費税転嫁対策特別措置法も昨年10月1日に施行されました。
同法10条の「総額表示義務の特例」により、H16以来9年ぶりに消費税の「税抜き」表示が復活し、既に税抜き表示している店も見られるようになりました。
各業界団体も昨年10月早々に基本方針を公表しましたが、スーパー業界、百貨店業界など対応はバラバラ、大手企業を個別に見ても対応はマチマチで、他社動向を見ながら検討していた中小企業の方も、対応に苦慮なさっているのではないでしょうか。
もちろんH26.4(8%)とH27.10(10%)の2度の増税が短期間にあることを考えれば、「税抜き」表示をしていれば手間は省けます。
例えば、価格表示を税抜価格のみで「9,800円(税抜)」としていれば、消費税率引上げ前でも、引上げ後でも、そのままの表示で対応できるからです。
ただし、8月の博報堂の消費者調査では「商品を手に取った時点で支払金額を知りたい」というニーズは高く、増税後の税抜表示を支持する人は2%であったそうです。
それだけに、この特例適用の条件となっている「誤認防止措置」には気を遣いたいところです。
国税庁HP公表の特例措置の「事例集」
国税庁HPには「総額表示義務の特例に関する事例集」が公表されています。
① 税抜価格のみを表示する場合の事例(4事例)
② 旧税率に基づく税込価格を表示する場合の事例(3事例)
③ 新税率に基づく税込価格を表示する場合の事例(3事例)
①は値札・店頭表示・チラシ媒体等の税抜価格のみの表示例を4事例
②は税率移行期に一時的に旧税率の税込価格表示が残ってしまう場合の対応事例
③は新税率適用前から先行して新税率の値札を貼った場合等の対応事例です。
経産省・中小企業用「消費税の手引き」
経産省が公表した「中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き」では価格表示だけでなく、転嫁拒否対策なども分かりやすく解説されています。
誤認防止措置の「明瞭に表示されているとはいえない例」として「文字の大きさ」「余白、行間」「背景の色との対照性」に問題のある事例が、カラーのサンプルで示されています。

当法人は当業務日誌で発信した情報について正確な情報をお伝えするように努力をしますが、誤り・正確さ・取引の正当性などについては、当法人およびその情報提供者は一切の責任を負いません。

記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。

記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。

ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。