大口・悪質・不正計算想定法人
11月8日、国税庁が平成23事務年度(7月~6月)の法人税・法人消費税・源泉所得税の調査実績を発表しました。
この年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人12万9千件(前年対比103.1%)について実地調査を実施したようです。この期に調査された法人は「大口・悪質な不正計算が想定される」と見られていた法人です。心当たりがあるでしょうか。
具体的な重点項目とされた4項目法人
具体的な調査対象選択の基準として、
①稼動無申告法人
②海外取引法人
③無所得申告法人
④消費税還付法人が挙げられています。
①については、6,035件に対して調査を実施、408件が意図的無申告でした。
②については、15,247件調査し、非違件数は3,666件、不正が606件でした。例年のことながら、海外事案は効率が悪いです。
③は、本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人のことで、55,353件の調査で非違件数は37,789件で、12,692件が不正、5,962件が黒字転換でした。
④については、8,539件の調査で非違件数は4,678件で、800件が不正でした。
全体として、見込みを立てて調査したのに関わらず、法人税の非違があった法人は9万2千件で71.2%でした。
その申告漏れ所得金額は、1兆1,749億円、追徴税額は2,175億円で、前年実績に比し低調でした。
不正発見割合の高い業種と金額の寡多
「バー・クラブ」は不正がバレ易いのか、52.6%で10年連続、近年25年間で24回1位(唯一2001年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連です。
以下、前年3位の「廃棄物処理」(33.1%)、これも常連で同2位の「パチンコ」(31.9%)、同7位の「自動車修理」(31.0%)、同4位の「土木工事」(29.5%)と続きます。
一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種1位は「パチンコ」、第6位「バー・クラブ」のほかは重複業種はなく、「医薬品」「水運」「鉄鋼製造」「輸入」「自動車部品製造」など大手企業を連想させる業種が並びます。

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