個人課税については、配偶者控除を中心とした各種控除や税率構造等の大きな改正は見送られました。
以下、主な改正項目を概観していきます。
国外に居住する親族の扶養控除の適正化
国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、その適用に疑義のあるものも散見されることから、適用を適正にするための改正が行われました。
具体的には、国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者に対して、確定申告書等に次の書類を添付し、または当該確定申告書等を提出する際に提示することを義務付けるものです。
①親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書)
②納税者が親族の生活費等に充てるための支払を行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書)
この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。
国外転出時の譲渡所得等の課税の創設
租税条約上、株式等のキャピタルゲインなどは居住地国課税です。
これを利用し、含み益のある株式を保有したまま、株式等の譲渡非課税国に出国し、その後に売却することで、課税を逃れることができます。
これを防止するため、一定の高額の資産家を対象に、出国時に未実現の含み益に対して特例的に課税する規定を創設しました。
具体的には、出国時に有価証券の評価額が1億円以上の者であり、かつ、出国直近10年以内において5年を超えて居住者であった者が対象です(入管法別表第一の在留資格で居住していた期間を除く)。
また、未実現に対する課税ですので、納税資金が不十分であることを勘案し、一定の要件を具備することで納税猶予が選択できる措置も講じられています。
なお、この改正は、出国者(特例対象者)の有する有価証券等を贈与、相続または遺贈により非居住者に移転した場合にも適用がありますので注意が必要です。
適用は原則として、平成27年7月1日以後に国外転出をする場合または同日以後の贈与、相続若しくは遺贈からです。
未成年者のNISAの創設
年間投資上限80万円、非課税期間5年間、非課税投資総額が最大400万円で、18歳になるまで原則として払出し不可といった要件があります。適用は、原則、平成28年1月1日以後の申し込みからです。

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