国税庁から平成22年中に亡くなった人から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る相続税の申告状況の発表がありました。
その具体的な内容は、次のとおりです。
死亡者数・課税対象になった被相続人数
死亡者数(被相続人数)は、約120万人(前年約114万人)であり、前年対比で104.8%となっています。
死亡者数は、10年前の平成12年は約96万人で、25%の増加です。
また、相続税の課税対象となった被相続人数は49,733人(前年46,438人)であり、前年対比107.1%と増加していますが、課税割合は4.2%(前年4.1%)となっており、ほぼ同水準です。
課税価額・税額の推移
課税価額は、10兆4,470億円、前年10兆1,072億円、
また、相続税額も1兆1,754億円、前年1兆1,618億円と、いずれも前年を若干上回っています。
なお、これを被相続人1人当りでみると、課税価格は2億1,006万円、前年2億1,765万円で、
相続税額では2,363万円、前年2,502万円と、いずれも減少傾向がみられます。
相続財産の種類別構成比
相続財産の金額の構成比は、土地48.4%(前年49.7%)、現金預金等23.3%(前年22.3%)、有価証券12.1%(12.0%)です。
特に、現金・預金の増加傾向は著しく、平成14年には16.7%程度しかなかったものが、現在では全財産の4分の1を占める勢いです。
もっとも、その背景には、不動産価額の低落傾向もあります。
課税当局の思惑
現金・預金は他の財産と違って、原則、その移動に関して制約はなく、国境を超えることは容易です。
近年増加傾向にある「預金等の海外シフト」とそれに伴う「国外財産の申告漏れ」を防止する目的で、平成24年度税制改正では「国外財産調査制度」を創設しました。
その内容は、5千万円超える国外財産がある場合には、当該財産の種類等一定の事項を記載した調書の提出を義務付け、不提出及び虚偽記載等があれば罰則を設けています。
適用は平成26年1月1日以後です。

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