マイナンバーの利用範囲の拡大可能性
マイナンバー法の正式名称は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号」です。
「社会保障・税番号」として利用すると解説されていますが、必ずしも明確な制限がないので、行政全般において利用することが可能です。
日本では、現在、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、納税者番号、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号など各行政機関が個別に番号をつけており、縦割り行政で重複投資になっています。
国民総背番号制頓挫の歴史
「国民総背番号制」は、広辞苑(第5版)には、「電子計算機による行政事務の効率化のため国民一人一人にコード番号を付ける」と記載されています。
かつて、佐藤内閣が1968年に「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置し、この国民総背番号制の導入を目指しましたが、各方面からの反対にあい、頓挫したという歴史的経緯があります。
ネガティブな個人情報の管理
住所移転により住民票が異動すると、その情報は戸籍を管理している市町村に通知され、戸籍の附票に記載されます。
公の機関の発行する「身分証明書」として、成年被後見人・被保佐人などの登記に係る法務局の証明書、禁治産・準禁治産・後見の登記・破産宣告・破産手続開始決定等々についての市町村が通知を受けているものに係る証明書等があるように、これらの個人身分事項は管理されています。
前科を記す犯罪人名簿
法律の根拠なく、各自治体が、罰金以上の有罪判決者の氏名や罪名・量刑などを記載した「犯罪人名簿」を作成しているが、法的整備が必要ではないかとの質問主意書が、少し前、国会で提出されています。
明治時代、刑罰等の事項は戸籍表又は寄留表に記載されていましたが、大正時代になって、別途、「犯罪人名簿」が作られるようになり、それは戦後になっても、選挙資格調査資料として引続き作成されているところです。
なお、検察庁は、拘留、科料などの軽微な罪も含めて犯歴管理を行っています。
情報流出が避けられないとして
個人情報の管理を全面否定は出来ませんが、情報流出のリスクを考えると、情報の一元管理には恐怖がつきまといます。

当法人は当業務日誌で発信した情報について正確な情報をお伝えするように努力をしますが、誤り・正確さ・取引の正当性などについては、当法人およびその情報提供者は一切の責任を負いません。

記事を読まれた方又は第三者が当該業務日誌に記載されている情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても、当法人およびその情報提供者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。

記事の内容についてのご質問はお問い合わせのページよりお願いいたします。

ご質問の内容によっては有料でのご対応、もしくはご返答いたしかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。